木製製品遺物の保存

一例   PEG含浸装置、真空凍結乾燥装置

 わが国には湿潤な遺跡が多く、そこから出土する遺跡は遺跡は異状に水分を含んでおります。木製遺物の場合、
主な樹脂成分が抜け、代わりに大量の水分を含んでおりまして、高野豆腐のようにもろくなっています。
 過剰に含まれる水分を高分子物質のポリエチレングリコール(PEG)と置き換えて恒久的な保存がはかられています。
PEGをしみこませるための「PEG含浸装置」を各種とりそろえております。
 また、いかなる仕様の装置もご提供できるように準備いたしております。

《1》PEGによる保存処理
洗浄
木材に付着た泥
や汚れの洗い落
とし。特に割れ目
や隅の洗浄を丁
寧に。
事前保護
木材に傷が付い
たり、あるいは
変形しないよう
布を巻き付け、
支持板を添えて
補強。
水溶液の作成
通常の出土木材
では、最初に準
備するPEG水溶
液の濃度はおよ
そ20%。
保存期間の設定
遺物の保存状態をよく
観測し、保存処理に必
要な期間(通常は年単
位)を設定計画。

濃度管理
保存処理中の最
重要事項はPEG
溶液の濃度管理。
赤外線水分計は
簡易で迅速な濃
度計。
PEG含浸装置
形   式
PB-170型
PB-250型
PB-300型
有効内寸
1750L×700W×700H
2500L×1000W×800H
3000L×1000W×800H
外径寸法
2555L×980W×900H
3305L×1340W×1010H
3805L×1340W×1010H
内 容 量
約 850リットル
約 2000リットル
約 2400リットル
重   さ
約 550kg
約 900kg
約 1100kg
電   源
200v 3相 6.3kw
200v 3相 7.6kw
200v 3相 9.0kw
液 循 環
縦形吸上ポンプ
縦形吸上ポンプ
縦形吸上ポンプ

万能簡易型含浸装置














 形  式           PS−120型
 有効内寸 400W×1200L×250H
外形寸法 455W×1370L×45H
加熱範囲 常温 〜 90度
電  源 100V   1.5KW
  備  考         移動、設置が簡単です

《2》真空凍結乾燥装置による保存処理

洗浄
遺物はもろく複
雑な形のもの
が多い。洗浄は
丁寧に。木簡は
墨書部分を注意
深く取り扱う。
前処理
出土状態のまま
乾燥は可能だが、
事前に溶液や樹
脂をしみこませる
前処理法が効果
的。
予備凍結
予備凍結時の結
晶を大きくしない
ためには、極力
低温で、急冷す
るのがこつ。
真空乾燥
乾燥中の真空度
は高いほどよい。
コールドトラップの
温度は低いほど
乾燥能率がよい。
乾燥終了
乾燥終了の目安
は、遺物の重量
が一定になった
とき、真空上昇
が止まったとき。

小型



大型
形     式
AP-10B
AP-19B
AP-2-43B
AP-102B
AP-203B
AP-305B
乾燥庫寸法
360φ×700L
300φ×1200L
600φ×1500L
1200φ×2200L
1400φ×3200L
1400φ×5200L
棚  寸  法
320W×700×1段
290W×1200L×1段
500W×1500×2段
1000W×2000L
1000W×3000L
1000W×5000L
冷却・加熱性能
−30℃〜60℃
−30℃〜60℃
−30℃〜60℃
−30℃〜60℃
−30℃〜60℃
−30℃〜60℃
脱 水 能 力
8KG/回
10KG/回
30KG/回
100KG/回
200KG/回
500KG/回
冷  凍  機
空冷0.75・0.4KW
空冷0.4・1.5KW
空冷0.75・2.2KW
水冷式 5.5KW
水冷式 7.5KW
水冷式 15KW
設備容量 電 機
AC3φ200V 2.5KW
AC3φ200V 4KW
AC3φ200V 7KW
AC3φ200V 11KW
AC3φ200V 16KW
AC3φ200V 29KW
融氷水
20L/分
20L/分
60L/分
45L/分
60L/分
60L/分
機 械 寸 法 910W×1100D×1500H 910W×1550D×1300H 1200W×2700D×1500H
3M×9M
3.5M×11M
3.5M×15M